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2026.11.02

SES営業のKPIとは?設計方法・指標例・数字に基づく改善術を解説

SES営業で成果を安定させるには、売上や成約数だけを見るのではなく、その手前にある提案数、顔合わせ数、成約率などを継続的に確認する必要があります。これらの進捗を測る指標がKPIです。

本記事では、SES営業で追うべきKPIの例、KGIから逆算する設計方法、数字から課題を見つける改善術を解説します。なお、営業プロセスや用語の定義は企業によって異なります。自社の商流、組織体制、管理方法に合わせて指標を選び、社内で計算ルールを統一することが大切です。

 

| SES営業におけるKPIとは

SES営業のKPIとは、売上や粗利などの最終目標に向けて、営業活動が順調に進んでいるかを測る中間指標です。提案、顔合わせ、成約、稼働、契約更新といった工程を数値化すると、成果が出ない原因を特定しやすくなります。

KPIとKGIの違い

KGIは組織が最終的に達成したい目標、KPIはKGIへ到達するまでの進捗を測る指標です。たとえば「月間粗利300万円」がKGIなら、必要な稼働人数、成約数、顔合わせ数、提案数などがKPIになります。

ただし、何をKGIにするかは企業によって異なります。売上拡大を重視する企業は売上や稼働人数、収益性を重視する企業は粗利や粗利率を置くなど、経営方針と連動させましょう。

SES営業でKPIを設定するメリット

KPIを設定すると、目標との差を早い段階で把握できます。成約数が未達でも、提案数が不足しているのか、顔合わせにつながらないのか、顔合わせ後の成約率が低いのかによって対策は変わります。

また、担当者ごとの経験や感覚に頼らず、共通の数字をもとに振り返れる点もメリットです。数字を評価だけに使うのではなく、「次に何を改善するか」を決める材料にすることで、チーム全体の営業品質を高められます。

 

| SES営業で追うべきKPI一覧

SES営業では、行動量、商談成果、稼働状況、収益性を分けて管理すると、営業プロセスのどこに課題があるか見つけやすくなります。すべてを一度に追うのではなく、自社のKGIに影響する指標を優先しましょう。

行動量:アプローチ数・案件獲得数・要員提案数

行動量のKPIには、新規企業へのアプローチ数、獲得した案件数、紹介可能な人材数、要員提案数などがあります。成果が出る前に確認できる先行指標であり、営業担当者が比較的コントロールしやすい数字です。

ただし、件数だけを増やしても、条件の合わない相手への提案では成果につながりません。対象企業、案件の必須条件、人材の希望を確認し、有効なアプローチや提案だけを集計するルールが必要です。

営業先の整理方法は、下記の記事で詳しく解説しています。
|参考記事|SES営業リストの作成方法|手順・収集・運用のポイント

商談成果:顔合わせ数・顔合わせ率・成約数・成約率

商談成果では、顔合わせ数、顔合わせ率、成約数、成約率を確認します。一般的には「顔合わせ率=顔合わせ数÷提案数」「成約率=成約数÷顔合わせ数」で算出できます。

一方、顔合わせ率の分母を「提案数」ではなく「顔合わせ打診数」とする企業もあります。提案の定義にも、メール送付、正式推薦、顧客確認済みの紹介などの違いがあります。どれが正解ということではなく、同じ条件で時系列比較できるよう社内定義を固定することが重要です。

稼働状況:稼働人数・稼働率・待機人数・契約継続率

SES事業では成約後の稼働が売上につながるため、稼働人数、稼働率、待機人数、待機日数、契約継続率も重要です。稼働率は「稼働中の対象者数÷稼働対象者数」で算出できますが、休職者や研修中の社員を分母に含めるかは企業ごとに決めます。

契約終了予定と次案件の提案状況を早めに把握すれば、待機期間を短縮しやすくなります。成約数だけでなく、参画後の状況や更新見込みまで追うことで、安定した売上につながります。

収益性:平均単価・売上・粗利・粗利率

収益性のKPIには、平均単価、売上、粗利、粗利率などがあります。粗利は「売上-売上原価」、粗利率は「粗利÷売上×100」で求めるのが基本です。ただし、給与、社会保険料、BPへの支払額など、原価に含める項目は社内で統一してください。

売上が伸びていても、低単価案件や商流の深い案件が増えれば粗利率は低下する場合があります。稼働人数だけでなく、案件別・顧客別・担当者別の収益性も確認しましょう。

 

| SES営業のKPI設計図|KGIから目標値を逆算する手順

KPIは、他社の数値をそのまま採用するのではなく、自社のKGIと過去実績から逆算して設計します。最終成果から営業行動までを一本の流れにすると、担当者が日々何をすべきか明確になります。

1.KGIを売上・粗利・稼働数で定める

最初に、期限と数値を含むKGIを設定します。「売上を伸ばす」ではなく、「今期末までに月間粗利を300万円にする」「3か月後までに稼働人数を20人にする」のように具体化します。

売上、粗利、稼働数のどれを中心にするかは、事業フェーズによって異なります。複数のKGIを置く場合も、営業担当者が優先順位を判断できるよう、最重要指標を明らかにしましょう。

2.成約数から顔合わせ数・提案数へ逆算する

次に、KGI達成に必要な成約数を算出し、過去の成約率と顔合わせ率を使って逆算します。必要顔合わせ数は「目標成約数÷成約率」、必要提案数は「必要顔合わせ数÷顔合わせ率」で求められます。

ここで使う率は、全社平均だけでなく、案件領域、顧客層、担当者などに分けて確認すると精度が上がります。実績が少ない場合は仮の数値で始め、データがたまった段階で調整します。

3.具体例で月次KPIと担当者別の行動目標を設定する

例として、月3件の成約を目指し、過去の成約率が30%、顔合わせ率が20%だったとします。必要な顔合わせ数は「3件÷30%=10件」、必要な提案数は「10件÷20%=50件」です。

営業担当者が5人なら、単純計算では1人当たり月10件の提案が目安です。ただし、担当顧客や扱う人材の難易度は異なります。機械的に均等配分せず、実績と担当領域を踏まえて調整してください。この数値例は目標値の決め方を示すもので、業界共通の基準ではありません。

 

| KPIでSES営業のボトルネックを診断し改善する方法

KPIが目標を下回ったときは、担当者の努力不足と決めつけず、未達が発生した工程を確認します。提案数が少なければ行動量、顔合わせ率が低ければマッチング、成約率が低ければ面談準備や条件調整が主な確認対象です。

図:SES営業KPIのボトルネック診断

診断画像は改善の出発点です。自社の目標値または過去実績と比較し、見送り理由や顧客の反応などの定性情報と組み合わせて原因を絞り込みましょう。

提案数が足りない場合|案件・人材情報の収集と提案業務を効率化する

提案数が少ない場合は、案件や人材の母数が不足していないか、情報検索や提案文作成に時間がかかっていないかを確認します。担当者別に、保有案件数、紹介可能人材数、1提案当たりの作業時間も見ると原因を判断しやすくなります。

対策は、営業先の追加、案件・人材情報の一元化、検索条件の標準化、提案文のひな型化などです。ただし、件数を増やすために条件不一致の提案を増やすと、顔合わせ率が下がるため注意してください。

顔合わせ率が低い場合|要件理解とマッチング精度を見直す

提案数は十分なのに顔合わせへ進まない場合、案件の必須条件と人材の経験、単価、勤務地、参画時期などが合っていない可能性があります。見送り理由を「スキル不足」「条件不一致」「提案遅れ」などに分類すると、改善点が見えやすくなります。

案件票の記載だけで判断せず、優先順位や過去の見送り理由までヒアリングしましょう。

確認項目や提案への活かし方は、下記の記事で詳しく解説しています。
|参考記事|SES営業のヒアリング術|案件と人材のマッチ精度を高めるには

成約率が低い場合|事前準備・フィードバック・提案条件を改善する

顔合わせは実施できても成約しない場合は、エンジニアへの事前共有、顧客ニーズの理解、受け答え、単価や参画条件を確認します。顔合わせ後は、顧客とエンジニアの双方から理由を聞き、次回の準備項目へ反映しましょう。

成約率だけを担当者評価に使うと、難易度の高い案件を避ける行動につながることがあります。案件難易度や提案の質も考慮し、改善可能な行動へ落とし込むことが大切です。

稼働率や粗利率が低い場合|待機期間・商流・契約更新を見直す

稼働率が低い場合は、契約終了の把握が遅い、次案件の提案開始が遅い、希望条件に合う案件が少ないといった原因が考えられます。終了予定者を一覧化し、契約満了前から更新確認と次案件の準備を進めましょう。

粗利率が低い場合は、単価だけでなく原価、商流、仲介費用、稼働条件を案件別に確認します。売上が大きくても利益が残らない案件を把握し、単価交渉や直取引の拡大などにつなげます。

 

| SES営業のKPIを継続的に運用する方法

KPIは設定するだけでは成果につながりません。誰が見ても同じ意味になるよう定義し、定期的な振り返りと改善を繰り返す運用が必要です。

KPIの定義と入力ルールを統一する

まず、各KPIの名称、計算式、分母・分子、集計対象、入力担当者、更新頻度を決めます。「提案済み」「顔合わせ確定」「成約」などのステータス条件も文章で定義してください。

入力ルールが担当者ごとに違うと、同じ数字でも比較できません。例外処理も含めた簡単な運用マニュアルを用意し、新人を含む全員が同じ基準で記録できる状態を作ります。

週次で実績・原因・次のアクションを確認する

週次のKPI会議では、目標と実績を読み上げるだけでなく、差が生まれた原因と次の行動を確認します。「誰が・何を・いつまでに行うか」まで決めると、数字を改善へつなげやすくなります。

好調な担当者の提案条件や準備方法も共有しましょう。成功要因をチームの標準手順へ取り込むことで、個人の経験を組織の営業力へ変えられます。

件数だけでなく提案の質や顧客・エンジニアの反応も記録する

KPIの件数だけでは、なぜ数字が上がったのか、下がったのかを判断できません。提案した技術領域、顧客の見送り理由、エンジニアの希望、参画後の状況なども記録します。

定性情報を残すと、「Java案件では顔合わせ率が高い」「単価より出社頻度が見送り要因になっている」など、次の提案に使える傾向を発見できます。

ダッシュボードで個人・チームの進捗を可視化する

ダッシュボードでは、目標、実績、達成率、前週比を同じ画面で確認できるようにします。全社、チーム、担当者の順に掘り下げられると、全体の問題と個別の問題を切り分けやすくなります。

Excelで案件・人材・契約情報を別々に管理していると、集計や更新に時間がかかり、数字も古くなりがちです。

Excel管理の課題と改善方法は、下記の記事で詳しく解説しています。
|参考記事|SESの営業管理Excel限界なら|課題と改善方法解説

 

| SES営業のKPI設定で避けたい失敗

KPIの運用方法を誤ると、入力作業だけが増えたり、数字を達成すること自体が目的になったりします。改善につながらない指標は、思い切って見直しましょう。

管理する指標を増やしすぎる

測定できる数字をすべてKPIにすると、入力と集計の負担が増え、重要な変化を見落とします。最初は、KGIへの影響が大きく、担当者が行動を変えられる指標に絞るのがおすすめです。

結果指標だけでなく、提案数などの先行指標を含めて3~5項目程度から始め、改善に使われない数字は削除・入れ替えを検討しましょう。

件数だけを追い、成約後の稼働や満足度を見ない

提案数や成約数だけを追うと、条件に合わない大量提案や、短期的な成約を優先しやすくなります。SES営業では、稼働開始後の継続状況、顧客の評価、エンジニアの満足度まで確認することが重要です。

成約はゴールではなく稼働のスタートです。早期終了やトラブルの原因を次の案件選定へ反映し、継続率と信頼関係の向上につなげましょう。

KPIを設定したまま見直さない

事業方針、採用状況、市場ニーズが変われば、重視すべきKPIも変わります。設定時の数値を長期間使い続けると、現場の実態と目標が合わなくなることがあります。

月次や四半期ごとに、KPIとKGIの相関、目標値の妥当性、入力負担を確認してください。目標未達が続く場合は、担当者だけでなく、指標の定義や営業プロセス自体も見直します。

 

| SES営業のKPI改善に必要な情報整理をツールで効率化する

KPIを改善するには、案件、人材、契約、営業実績などの情報を同じ基準で確認できる状態が必要です。情報がメール、チャット、Excelに分散していると、集計に時間がかかり、改善判断も遅れます。

案件・人材・契約・営業実績をまとめて振り返りに活用できる

SESAi(セスアイ)は、案件・人材情報の取得や管理、AIマッチング、契約フォロー、営業実績・売上管理など、SES営業の各工程を支援するシステムです。提案管理だけを目的にするのではなく、KPIの背景にある情報を整理し、振り返りへ活用できます。

自社の営業プロセスに合う管理方法や、現在の情報整理に関する課題を相談したい方は、SESAiへお問い合わせください。

 

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| まとめ:SES営業のKPIは数字を行動改善につなげよう

SES営業のKPIは、提案数、顔合わせ数、成約数、稼働率、粗利率などを通じて、KGIまでの進捗を確認する指標です。自社の目標と過去実績から逆算し、各指標の定義を統一しましょう。

重要なのは、数字を集めることではなく、ボトルネックを見つけて次の行動を変えることです。件数と率、成約前と成約後、定量情報と定性情報を組み合わせ、週次で改善を続けることで、再現性のあるSES営業体制を構築できます。

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